マインドフルネス瞑想のやり方と、どのような効果があるのか

マインドフルネス

アップル・グーグル・インテル・ヤフーなど今勢いのあるIT企業や知的エリート達がマインドフルネスを取り入れているという話しを聞いたことはないだろうか?

マインドフルネスと瞑想はどう違うのか、また、どんな効果があるのか分からない人も多い。一体、マインドフルネスとは何なのか?なぜ、最先端の企業でも取り入れられるのか?

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マインドフルネスと瞑想の違い

ブッダよりこのかた、呼吸抑制やイメージ操作などの瞑想法が駆使されてきた。瞑想は様々な宗教で取り入れられ、神仏に思いを寄せ、悟りを得るのに必要不可欠なものとなっている。

例えば、密教の基礎的な瞑想である月輪観(がちりんかん)では梵字が描かれたものの前で行い最終的には悟りを目指す。

釈迦の仏教では瞑想を中心とした修行を重視している。煩悩は瞑想を中心とした己の修行でのみ消すことができるとお釈迦様が説いた。仏教の瞑想も本質はお釈迦様の修行がベースにある。そしてブッダになるのがゴールである。

本来、瞑想とはマインドフルネスのように現世でのストレス解消や脳の活性化を目的とするような功利的なものではなく、あくまでも修行なのである。摩訶不思議な療法でもなく、神秘体験など幸福や快楽を期待するようなものでもない。

ではマインドフルネスは具体的にどういった状態を指すのか。

マインドフルネスとは

欧米で生まれた瞑想法の一つ。今この瞬間に意識を向け、判断せず、あるがままの感覚を受け止める方法である。

我々は悲しみや恐怖などネガティブな感情に囚われていることが多い。しかしネガティブな感情にとらわれていることに気がつけば、その嫌な感情から開放される。それが今世間で流行っているマインドフルネスの概要である。マインドフルネスを行うことで、マイナス思考やネガティブな感情を手放すことができる。

人間の記憶は過去の出来事によって積み上げられたものだ。不安はまだ起きてない未来を想像することで起こる。マインドフルネスは過去や未来を忘れ、今ここに気づくということ。不安や記憶を排すること。

つまり、マインドフルネスは自分のために「今、自分の感情に気づき、観察すること」である。

知的エリート達がマインドフルネスを取り入れているのは、自分の脳や精神に何かしらの有用性があると考えるから行うのだ。

仏教はベースにある瞑想は苦行が本質だが、マインドフルネスは実用性のニュアンスが含まれる。ここが、仏教の瞑想と違うところである。

だからといって、利益や療法を目的をすることが悪いといっているわけではない。何かのために行うというのは当たり前のことだ。

マインドフルネスはヴィパッサナー瞑想とサマタ瞑想の要素が含まれている。サマタ瞑想とは集中する瞑想で、こころをひとつの対象(呼吸など)に向けて集中する。ヴィパッサナー瞑想は、対象をありのまま観察することである。仏教では止観(しかん)という。

外界に気づいていることがマインドフルネスではなく、自分が外界に意識を向けていることに気づくことだ。映画のように自分を客観的に観察することである。

例えば、嫌な気持ちになったときに、無理やりプラス思考になるのでなく「今の嫌な気持ちに考えてしまっていると気づくこと」だ。

ケース1

  • 主観:落ち込んでいる
  • 客観:落ち込んでいることに気づく→マインドフルネス

ケース2

  • 主観:怒っている
  • 客観:怒っていることに気づく→マインドフルネス

今あなたが「この記事を読んでいる」とリアルタイムで客観的に気づくこと、それがマインドフルネスである。

ラベリング:日常的にマインドフルネスを行うやり方

瞑想をしなくてもマインドフルネスはどこでも行なえる。自分の気づきに名前を付けることで、マインドフルネスの感覚を明確化することができる。これをラベリングという。

  • 本を読む → 本を読んでいることに気づく
  • 水を飲む → 水を飲んでいることに気づく
  • 歩く → 歩いていることに気づく

マインドフルネス瞑想のやり方

それでは、私が行っているマインドフルネス瞑想のやり方をご紹介しよう。

  1. 足が痛くならないように座布団を準備する
  2. 座布団の上に、半跏趺坐(はんかふざ)もしくは結跏趺坐(けっかふざ)でもよいので無理のないように座る 注 1
  3. からだを前後に揺らし緊張感をなくす
  4. 腰は反らさず前屈みにせず、正中線(体の中心)は垂直に保ちまっすぐにする
  5. 両眼を軽く閉じる
  6. 舌は上顎に軽く付け、鼻で呼吸する
  7. 手の位置が落ち着かないのであれば、法界定印(ほっかいじょういん)を下腹部あたりで結ぶ
  8. 呼吸やお腹の動きに意識を向け、頭に浮かぶことを、客観視する 注 2
  • 注1:結跏趺坐は両足を組む座り方で、半跏趺坐は片足を組む座り方。どちらもあぐらをかくような座り方である。
  • 注2:客観視の方法については次のラベリングをご覧ください

座り方

結跏趺坐(けっかふざ)は両足を組む座り方。右足を左の腿の「上」に深くのせ、左足を右の腿の上にのせる。

結跏趺坐の図
出典:Tanumânasî en Meditacion Loto Padmasana – 結跏趺坐 – Wikipedia

半跏趺坐(はんかふざ)は片足を組む座り方。右足を左の腿の「下」に深く入れ、左足を右の腿の上にのせる。

安楽坐(スカーサナ)は、両足のかかとが股間の前に揃うような座り方。

手の置き方

法界定印(ほっかいじょういん)は、親指の先端同士をくっつけ、右手の上に左手を軽く添える。

チンムドラーは人差し指と親指の先をくっつけ円をつくり、他の指は伸ばす。

※ 膝の上に手のひらを置くだけでも問題ありません。

マインドフルネスの効果

マインドフルネスが習慣化すると、イライラを軽減することができる。失敗しても他人事のように流せるようになるのだ。

  • イライラする → 私は今、イライラしていると気づく → 他人事のようにイライラが消失
  • 恥ずかしい → 私は今、恥ずかしいと思っている → 他人事のように恥ずかしさが消失
  • お酒を飲みたい → 私は今、お酒を飲みたいと思っている → 禁酒成功

このように自分の感情を客観視すると、我々がいかに感情に振り回されているか分かる。そして、怒りや不安の原因が、他人ではなく自分にあることに気づく。

マインドフルネスはビジネスシーンでも役に立つ。例えば、クライアントや取引先があなたに対して失礼な発言をしてきたとして、あなたが腹がたったとしても、自分の怒りを客観視することによって、感情的にならず理性的に対処できるようになる。その結果、相手先も嫌な気持ちを受けず、継続的な契約に繋がる。

日常生活でも使える。例えば、あなたが誰かと待ち合わせしていたとしよう。しかし、相手は遅刻してまだ到着しない。ここでマインドフルネスを使い、あなたの思考を観察するのだ。「今、私は怒っている」「相手に何と言うか考えている」と客観視することによって、怒りとあなたを切り離すことができる。

まとめ

マインドフルネスの効用を書いたが、そもそも喜怒哀楽は人間に必要だから存在するのであって、無闇矢鱈とストレスを排除する必要はない。平和でノンストレス過ぎるのも退屈だろう。

辛さや楽しさを経験するのもよいし、逃げるのもよい。色々考え、色々なことを経験するのが人生なのである。

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