最近話題のタイムリープの体験者の嘘を紐解く

タイムリープ 嘘

某掲示板や映画でタイムリープが話題となっている。今回はタイムリープを体験したという人達の嘘を暴き、真相を解明する。

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タイムリープの問題点

タイムリープとは、時間を移動するという意味で使われている。過去や未来に意識を移動させ、移動先の肉体と精神を統合できる設定が多い。2ちゃんねるや小説「時をかける少女」で認知されるようになった。

小説や映画でタイムリープを扱うことはフィクションだから特に問題ない。物理的に研究するのもいいだろう。夢のあるテーマだ。

しかし、問題は「タイムリープを体験したという人」である。思想や哲学を語るのは自由だが、もし嘘を書き込んでいたとしたら、道徳的に好ましいことではない。悪気がないでは済まされない。

もし、本気でタイムリープを信じる人が出てきて、大切な人生の時間をタイムリープのトレーニングに費やしてしまったら、目も当てられない。

したがって、私ができることは、あなたの貴重な時間を浪費させてしまう虚偽の書き込みを解明し、真実をあなたに伝えることである。

理性的に考えると「何かのタイミングで戻りたい時代に移動し、なおかつ記憶を保持している」ということは飛躍しすぎている。宇宙では物理法則を無視することはできないから、タイムリープが物理的に起こることはない。しかしなぜ、タイムリープという科学的根拠のない書き込みがされ、多くの人が信じているのだろうか。

相対性理論では時間は巻き戻せる

実は物理学では「時間を戻せる」ようになっている。これは、京都大学大学院で博士号を所得し素粒子物理学者として渡り歩いている松浦壮さんが著書「時間とはなんだろう」にて言及されている。

ニュートンの運動法則や、相対性理論や量子力学、場の量子論も、時間の逆行を禁止しません。時間を反転させるということは、今まで「t」と書いていた時間パラメータを「-t」に置き換えることに相当します。(中略)もしある運動が運動法則通りに起きたとしたら、それを時間反転させた運動もまた、同じ運動法則の下で許される運動ということです。

なんと、時間を戻すことは現実で起こり得るらしいのだ。しかし、時間には本来方向はないけど、運動の性質によって不可逆な現象が起こるから、実質的に方向があるように見える。

この考え方をタイムリープに適用すると、実際に過去に戻っていても戻ったようには見えないということだろうか。

多世界解釈では過去の世界に干渉できない

多世界解釈は、エベレットが論文として発表したパラレルワールド論が原点となっている。次々と枝分かれを繰り返した宇宙のうち一つが、私達のいる現在の宇宙であり、同時に別の私がいる宇宙や、私がいない宇宙も存在しているという。(量子論を楽しむ本 佐藤勝彦)

量子論では一度枝分かれした宇宙同士はお互いの交渉が絶たれ、物理的に孤立してしまうそうだ。枝分かれした過去の世界には干渉できないのである。

もしタイムリープ説が事実だとしたら、過去や未来に移動するのではなく、新しい世界を構築していると考えるのが妥当である。過去に戻るのではなく、過去を再構築しているのである。

ダブルスリットの実験で考えるタイムリープ後の世界

佐藤勝彦氏によると、多世界解釈での「電子のダブルスリットの実験」で考えると、2つの異なる世界が同時に存在できることになるそうだ。つまり、タイムリープする前の自分と、タイムリープした後の自分が同時に存在できる。

結果的にまったく同じ状態になる場合に限り、2つの世界に分かれた物質が再び重なって、異なる過去が干渉状態を引き起こすことになるそうだが、私達の日常で結果が完璧に同じになることはないとのことだ。

これは、運命は決まってないとも捉えることができる。

したがって、私達の世界がどんどん増えていっても、タイムリープしたとしても今の世界と干渉することはないということである。

タイムリープ体験者の正体

次に、タイムリープを体験したという人の真意を究明したい。

真相1:タイムリープの正体はFPPである

タイムリープ体験者は幻覚・幻視の可能性がある。

幻視は誰にでも起こる普通のことである。人間は空耳や見間違いなど、予想以上に幻視や幻聴を経験している。

起きている状態でも白昼夢の世界に落ち込んでしまえる「Fantasy prone personality(FPP)」と診断される人が人口の4%はいるといわれている。FPPはファンタジーと現実を見分けることが困難になる病気だ。

アメリカの心理学者シェリル・C・ウィルソンとセオドア・X・バーバーは1981年に最初にFPPを特定した。Fantasy prone personality – Wikipedia

白昼夢は、目覚めている状態で非現実的な妄想を体験する状態である。白昼夢の人は自分が創り出した空想の世界を生々しく体験し、触ったり、匂いを嗅いだりできる。タイムリープの体験談はFPP・白昼夢の症状に酷似している。

このことから、タイムリープの経験を掲示板などに書き込んだ人は「経験した白昼夢に要素を肉付けし、承認欲求を満たすために多くの人達を惹きつけるストーリーにでっち上げた」といった可能性が考えられる。

真相2:タイムリープの正体はパレイドリア効果

人間はパレイドリア効果で、幻覚や幽霊を見ることがある。壁のシミが人の顔に見えるような現象だ。心霊現象のほとんどはこれで説明できるそうだ。

パレイドリア(英: Pareidolia)とは、心理現象の一種。視覚刺激や聴覚刺激を受けとり、普段からよく知ったパターンを本来そこに存在しないにもかかわらず心に思い浮かべる現象を指す。パレイドリア現象、パレイドリア効果ともいう。一般的な例として、雲の形から動物、顔、何らかの物体を思い浮かべたり、月の模様から人や兎の姿が見えてきたり、録音した音楽を逆再生したり速く/遅く再生して隠されたメッセージが聞こえてきたり、というものがある。意識が明瞭な場合でも体験され、対象が実際は顔でなく雲だという認識は保たれる。
パレイドリア – Wikipedia

つまり、誰だって本来は存在しない場所や友達を心に思い浮かべ本物と錯覚してしまうことがある。物は目ではなく脳で見るというから、トレーニングを積めば脳の思い込みによって、好きな幻覚を見ることは可能である。

真相3:証拠提出が不要な設定、匿名で言及できる掲示板

日本の法律では、刑事訴訟では厳しい要件を満たした証拠だけが事実認定の基礎になる。

掲示板の中で無根拠なオカルト話をしても、訴えられることはないし、証拠提出も不要だ。

そもそも、タイムリープは夢での話だから証拠も何もない。

タイムリープのストーリーは「違う世界に行く」という設定だから、誰も目撃者を必要としない。つまり証人や目撃者も用意しなくてもいい。

それに加え、タイムリープを経験した人は、掲示板に書き込むときに自分の身元を明かしていない。つまり、風説の流布や違法性がなければ、どんな嘘を書いても、責任を追求される可能性は少ない。無根拠な妄想を、さも本当であるかのように書けるのだ。

そして、論理的な追求を避けるために、匿名性と証拠提出を必要としない神秘的な設定に仕上げている可能性は大いにある。

まとめ

オカルトな話は根拠がないし、何を書き込んでも問題ないと思うかもしれない。しかし、ネットで書き込むときは、風説の流布にならないよう気をつけたいところである。

参考文献
  • 時間とはなんだろう 松浦壮
  • 超常現象 科学者達の挑戦
  • 量子論を楽しむ本 佐藤勝彦

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