古代エジプトに飛行機が存在したのか?その可能性を示唆するオーパーツが古代エジプトのグライダー「サッカラ・バード(Saqqara Bird)」である。
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目次
グライダー「サッカラ・バード」の外観
1898年にサッカラの墳墓で木製の飛行機模型が発見された。翼長は18センチ、重さ40グラム、大きさ14センチ。一見すると鳥のおもちゃのようだ。
模型には「パ・デ・アメン」という文字が刻まれている。これはアメン神の贈り物という意味である。アメン神は古代エジプトの太陽神であり、隠れた者を意味する。もともとは大気の守護神だった。
カイロのエジプト博物館では、紀元前200年に作られた「鳥」の木製品として登録されていた。しかし、この鳥の模型には足がなく、飛行機のような主翼・尾翼がついている。
アメリカのライト兄弟が動力飛行に成功したのが1903年、鳥のグライダーが出土したのは1898年だ。出土時期が正しければ、飛行機が飛ぶ前に、飛行機の構造に酷似した模型が存在していたことになる。
グライダー「サッカラ・バード」の揚力
航空力学の専門家が検証した結果、飛行可能なほど正確に作られていたそうだ。中央が高くなった翼と羽の反り方は揚力原理に添っている。
後押し推進式のエンジンを取り付けたら時速95キロ以下という低速で飛ぶことが可能とのことだ。
グライダー「サッカラ・バード」の真相
結論からいうと、水平尾翼が欠如しているサッカラ・バードは安定して飛べない、ということである。水平尾翼とは尾翼の一種で、水平についている部分だ。モーメントの釣り合いと安定性を与えるために必要である。
本「謎解き古代文明」によると、この水平尾翼は飛行機を安定させて飛ばすのに必要であり、これがないのに専門家がお墨付きを与えたのがおかしいとしている。
2002年には、フリーフライトモデルデザイナーMartin Gregory(マーチン・グレゴリー)がバルサ材を使ってモデルを作成し、テストしたが飛行できなかった。
2008年には、空気力学の専門家であるSimon Sanderson(サイモン・サンダースン)が、サイズの4倍のサイズのモデルを製作したが、こちらの飛行できなかった。
結局、飛行機の専門家達がいくらテストしても、飛ばせなかった。
鳥にしては翼が不自然だし、飛行機にしては飛行不可能である。これらのことから「飛行できるものを漠然としてイメージして作ったものの、実際には航空力学の知識が無かったから飛ばすことはできず、結局は鳥の工芸品の枠を出ることができなかった贈答品」としてみるのが妥当だろう。
オーパーツが展示されていた場所
カイロ・エジプト考古学博物館
参考文献
- 神々の遺産オーパーツ大全:並木伸一郎
- オーパーツ大全:クラウス・ドナ、ラインハルト・ハベック
- 謎解き古代文明:ASIOS