嘘か本当か?茨城県のオーパーツ「竹内文書」の内容

竹内文書の謎

竹内文書(たけうちもんじょ)とは、武烈天皇の勅命により保管された、世界の始まりを記したとされる古文書 (こもんじょ)である。成立年代は5世紀末とされる。内容は宇宙創生から始まる神々の壮大な物語が記されている。偽書ということで学界から事実上抹殺された。今回は、竹内文書の謎を解く。

スポンサード リンク

竹内文書とは

竹内文書は武内宿禰の孫である平群真鳥が第25代武烈天皇の命を受け、上古代以来の伝承を神代文字から漢字かな混じりの文に翻訳した古文書と、上古代以来の伝承物とされる神宝類を含めた数千種類もの資料の総称である。

茨城県磯原(北茨城市)にある皇祖皇太神宮は、竹内文書によると、天神五代に始まった祭祀をルーツとする日本で最も古い宮で、この神官の管長職を代々世襲している竹内家に秘蔵されていた古文書類が竹内文書であるそうだ。

竹内文書は一冊ではなく、竹内家に伝わる神代からの歴史資料の総称である。神代皇統譜、神代文字、古代世界地図などで構成されている。

御神宝

文献以外にも、皇祖皇太神宮には神宝も残されている。ヒヒイロカネで造られた剣と鏡があるという。剣は須佐之男命(スサノオノミコト)がヤマタノオロチを退治して入手した天叢雲剣(アメノムラクモノツルギ)で、鏡は伊勢の皇大神宮の御神体である「八咫の鏡」だという。ほかにもご神骨像が76体、モーセの十戒石など珍しいものがあるという。

3分で分かる竹内文書の内容

竹内文書の内容を超簡単に説明するなら以下のようになる。

元無極躰主王大御神(もとふみくらいぬしのおほみかみ)が宇宙を創生し、天日豊本葦牙気皇主身光大神(あめひのもとあしかびきみぬしみひかりおおかみ)が大勢の神とともに天元根国の天越根国に降臨し、上古初代天皇になり、天の浮舟に乗って世界各地を巡り文明を指導した。その後世界は崩壊する。その後文明が再建されるがミヨイ・タミアラ大陸が海底に沈没。そんな暗黒の世界を再建したのが神武天皇である。(世界ミステリー事件ファイルより)

日本人祖国説

日本の歴史は宇宙が創造されて天から降った神が七代続き、次に初の人類である天皇の系統が25代続き、その後、不合朝の73代目の天皇が神武天皇だとしている。

天元根国は地球を指し、天越根国は富山県のことである。なんと富山県を拠点に世界が出来上がったという。

天孫降臨

「位山に、日の神の皇太子の居る大宮を日玉国と云う」とあり、飛騨の位山という山に天孫降臨されたことが明記してある。位山は岐阜県北部、大野郡宮村と益田郡原町の境にある山である。

位山

位山にはイチイの原生林がある。この位山のイチイを笏の材料として朝廷に献上したされたことがあるという。現在、伊勢神宮の式年遷宮や天皇即位に際して位山のイチイの笏(しゃく)が献上されている。

五色人

天神時代スメラミコトは地上で発達した現生人類にスメラミコトのDNAを注入し人類を五色に分け世界に散りばめたという。人類は遺伝子操作によって造られたという。

天皇即位六億八千六百六十万八千六百二十一歳に弟妹五色人を産む。弟妹の住居る所を、弟妹の名を国名に名付るを父天皇詔す(超図解 竹内文書より)

天皇の弟妹が五色人になったという意味だそうだ。また、オリンピックは超古代の五色人の祭典を伝えるものだという。

赤人・黒人・黄人・青人・白人などを含めた五色人が世界に存在し、それら人類の起源は日本発祥ということである。赤人はユダヤ人・アメリカ人、黒人はアフリカ・インド、黄人は日本・中国・モンゴル、青人は北欧、白人はヨーロッパ人を指すのではないかといわれている。

先程の記述の前に「黒石に、黒人祖住みおる」と記述が残っているそうだから、既に存在していたサピエンス達に遺伝子操作を施したのだろうか。

遺伝子操作により、ホモ・ルドルフェンシスが黒人となり、ホモ・エレクトスが黄人、ホモ・ネアンデルターレンシスが赤人となったのか。ネアンデルタール人やデニソワ人は歴史から突如消えているが、実は消えたのではなく遺伝子操作によって今の人類になったのかもしれない。

ヒヒイロカネ

竹内文書によれば「さびずくさらず、生々と何万年たつとも同じくある宝のヒヒイロカネ、あまがしたに又となき宝」とあり、オリハルコンを彷彿とさせる。神宝の剣や鏡を作るために使われたと記されてある。

スメラミコトはヒヒイロカネという伝説の合金を使って越中の御皇城山に広大な神殿を造り、モーセ、釈迦、孔子、キリスト、マホメットら世界各地から聖人が来日し神宮を参拝したとしている。三種の神器はヒヒイロカネでできているという噂がある。

戦前に何人かの科学者がヒヒイロカネを調査したときの記録によると、地球上のどの金属の製法とも異なる結果が出た。このことから、地球上の金属ではなかったとされる。

天空浮船

竹内文書によると天皇は世界統一のために、天之浮船という名の飛行物体に乗って移動し、神殿を築いた。飛行機に搭乗するのは天皇のみに許された。

飛行距離は1日に八千里ないし一万千里飛行できたとある。一里は約4kmなので千里は4,000km、八千里となると三万二千キロ、時速に直すと千三百キロである。音速を超える速さだ。

コロンビアの博物館に保存されている黃金ジェットは、ジェット機に見える古代のオーパーツだが、古代の人々はヒヒイロカネでできた天空浮船を模して造ったのだろうか。

飛行機のようなオーパーツ「黄金ジェット」の謎 | 占い007

ピラミッドの発祥の地

富士の尖山の「とがりやま」がピラミッドの発祥の地であること、なども記されている。とがりやまはパワースポットとしても有名でUFOの目撃者が多いところだ。

また青森県の十和田湖近くの十和利山(とわりやま)が5万年前に作られたピラミッドであるとした。黒又山は近くにある。

秋田県のオーパーツ「黒又山ピラミッド」の謎と呪いの正体

天変地異

竹内文書に記された歴史では、超古代文明は天変地異で何度も滅んだとされる。築き上げた文明は天変地異によって何度も滅び、そのたびに五色人の命が失われた。

「神代の万国史」には以下の記述がある。一部抜粋する。

天神6代:地球数百度土の海となり、岩石の角丸くなる。蛤がらの の中に有るが土の海となりたる印しなり。
上古3代:地球全部大変動、土の海となり、万物悉く万国全滅す。天皇一族三百九十七名天日球の国天空浮船に登り奉り大難のがれる。
上古4代:地球万国全部土の海となること二度に及び。土海になる前後にひず木小木に餅がなる。
上古17代:天下万国土海とかへらくす。木に餅がなる。五色人全滅し、神帰り。
不合10代:ミヨイ、タミアラ海底落ち沈む。
不合69代:天地大変、土の海となり五色人全部死す。ミヨイ国タミアラ国海の底に沈む。アアオトロシへ。
不合71代:天地万国大変動五色人全部死す。万国大地変動す。南無極・天祖神・天人地天国埋もれていた神生まれ信仰する人、神守救助。

天変地異の中には「ミヨイ・タミアラ」という架空の大陸の沈没まで記されている。ノアの箱舟を連想させる大洪水も記録されている。

万国棟梁天日豊本黄人皇主天皇子一族、三百九十七名。(中略)狭依信濃日の玉の国及び秋津根大台原峯より、天日球の国天空浮船に登りて祭り、大難除れて・・・

天皇と一族の三百九十七名が天空浮船に乗って脱出していることが記されている。ボーイング777-300の座席数が514席で全長73.9 mだから、それに近い大きさかそれ以下だったのだろうか。

ミヨイ・タミアラ大陸

ミヨイは日本の右横、タミアラはその下に描かれている。太平洋に位置するミヨイ・タミアラ大陸はアトランティスやムーを思わせる。ノアの大洪水は、ミヨイ・タミアラの水没の影響としている。

この島には五色人と王族の黃金人が住んでいた。ある時、天変地異で島が海没した。島から天の岩船で脱出し、生き延びた黃金人の子孫が天皇家だという。このことから、日本はムー大陸の子孫ということになる。

チャーチワードのムー大陸と同じように、海没したとされるミヨイ・タミアラにも超古代文明が栄えていたと竹内文書は伝えている。その当時、高貴なる人々は天の浮舟に乗り世界を訪れたという。

モーセ来日

竹内文書にはモーセまで登場する。

モーセは旧約聖書の『出エジプト記』に登場する紀元前千三百年ごろのユダヤ人の指導者である。エジプトから民を率いて脱出したモーセは民とともに40年にわたって荒野をさまよい「約束の地」にたどり着いたが、約束の地の手前で世を去った。

モーセ – Wikipedia

出エジプト記のモーセの概要は以下である。

モーセは、迫りくるエジプト軍から人々を逃すために海を真っ二つに割る。渡り切ると再び海が戻りエジプト軍は壊滅する。エジプト脱出を成し遂げたモーセ達はシナイ山に至る。その山で神は民の戒律である十戒をモーセに伝える。しかし、民は早速十戒を破る。怒った神は40年、彼らに放浪を強いる。その間にモーセは死去する。

酒井勝軍の著書「モーゼの裏十戒」によると、モーセは十戒の公布の許可を天皇にもらいユダヤに戻ったそうだ。日本に着いたモーセは皇祖皇太神宮を参拝し、十戒などを奉納している。その後、富山県に住み皇室のお姫様と結婚していると記されている。モーセの十戒と五色人の政法は似ている。

石川県の羽咋郡宝達志水町には宝達山山麓の三ツ子塚古墳群を整備した公園である伝説の森公園 モーゼパークがある。三ッ子塚では壷なども発掘されているそうだ。竹内文書によるとモーセは五百八十三歳のときに宝達山で亡くなったとされている。

出典:伝説の森公園(モーゼパーク)|各課・施設情報|宝達志水町

イエス来日説

竹内文書ではモーセばかりか、イエス・キリストまで来日していたと記している。聖人として布教を始める前に日本で学び、実は日本で死亡したという。

キリスト来日説を唱えたのは山根キクという女性である。山根は横浜神学校卒業後、大正11年ごろ婦人運動に入り、その後キリスト日本渡来説の研究に専心する。

山根の研究によると、イエスは日本の能登の宝達港に上陸し、皇祖皇太神宮の神主、武雄心親王の弟子となり修行し帰国。帰国後に十字架にかけられたのは弟イスキリであり、イエスは助かり再び来日して、百十八歳の天寿を全うしたという。

山根の著書によると、イエスは忍者のような修行をして精神を鍛えたらしい。

竹内巨麿はどんな人物か

出典:cdn-ak.f.st-hatena.com

竹内巨麿(たけのうち きよまろ)は皇祖皇太神宮第六六代管長である。父は源重胤(みなもとのしげたね)、母は大中臣家(おおなかとみけ)の娘といわれている。母の死後、竹内家に預けられ竹内を名乗る。

竹内巨麿は、平群真鳥の子孫であるとされる竹内家の養子とされる。しかし養子というのは自称であり、出自そのものは疑問視されている。

巨麿は1892年に養祖父から竹内文書を譲り受けた。

1910年、越中にあった皇祖皇太神宮を茨城県磯原に再興した。京都の鞍馬山で修行した跡に茨城県に行って、祈祷を行い信者を集め天津教を作った。その時に利用したのが竹内文書なのである。

巨麿はよくわからない代物を天皇家の神宝だと称するなど、突拍子もない言動が目立つようになる。50メートルほど空中浮揚したという逸話もあるが信者集めに利用されたと思われる。

1930年、天津教は天皇の名誉を害したとして不敬罪により弾圧される。東京日日新聞に天津教の記事がのり、警視庁が巨麿を詐欺罪の容疑で取り調べ拘束される。この時に、竹内文書は証拠品として押収された。

1936年、不敬罪で起訴。1943年には有罪の判決が下るが、1944年に無罪が認められる。このとき大審院に押収されていた御神宝を含む四千点の竹内文書は返還されず東京大空襲によって焼失する。現在読むことができる竹内文書は巨麿が書き写した一部のみである。

その後も天津教は布教活動を継続した。

真相

竹内文書偽書説

竹内文書によると、上古初代天皇が誕生したのが紀元前3175億年とされている。それ以前には地球の地図が完成したとも記されている。

しかしビッグバンが起きたのは138億年前である。初代天皇が即位したときは宇宙すら誕生していない。宇宙が誕生していないのに、どうやって天皇が誕生するというのか、宇宙誕生前に地球の地図が存在するのはおかしいではないか。

竹内文書は超古代ストーリー、宇宙からの降臨、高度なテクノロジー、人類日本発祥説などのトンデモ内容という理由もあって偽書説がつきまとっていた。

戦前、元京大文学部長だった狩野亨吉博士は「天津教古文書(竹内文書のこと)の批判」を発表した。この試みによって、竹内文書偽書説が定着した。

この狩野論文によると、竹内文書は文法の誤りや誤字脱字が多いことから偽書だとしている。調べたのは5枚の写真だが、それに限らず他の箇所も偽造文章と判断した。

そして、竹内文書は偽書ということで学界から事実上抹殺されたのである。

しかし「超古代文明の謎」の中で「大正十年の時点でミヨイ・タミアラの海没を記したということは、出口 王仁三郎の『霊界物語』の竜宮島の海没よりも二年早く、またチャーチワードのムー・シリーズよりもさらに十年早い」と、全ては氷解していない様子で書かれていた。

古史古伝は成立した年や公開までの過程が不明なことも多く、正史と違ったものが含まれることがある。竹内文書も編纂者や成立年代は不明だ。巨麿が公開した文章は東京大空襲で焼失している。

竹内巨麿の写しやメモが残っていて、証拠押収の際に撮影された写真も存在しておりおおむね復元された。皇祖皇太神宮の神宝「モーセの十戒石」を含む数千点に及ぶ資料は戦後の神秘主義者に大きな影響を与えた。

さらに聖書に記されている「モーセの十戒」は「表十戒」に過ぎず、「十戒」「真十戒」などが天津教に保管されていたという。

竹内文書で残っている資料は、「神代の万国史」と自称ヒヒイロカネの剣と鏡などのわずかな神宝だけである。しかし、竹内文書が偽書ではなかったと信じる者もいる。竹内文書は学会と国家の陰謀によって偽書にされたという陰謀論も根強い。

竹内文書は明らかに偽書といえる内容だが、原本の探索ができないと真偽定めがたい。竹内文書関係の原本にあたる竹内義宮氏の著作「神代の万国史」や、「天国棟梁天皇御系図宝の巻き」に解説があるので一読されるとよいだろう。

まとめ

竹内文書に書かれている遺伝子操作や飛空船の存在が事実であるという証拠はないし、著者の見解には再考の余地が残る。

竹内文書は数多くの矛盾点と飛躍しすぎた内容から、偽書とされたが、SF小説としてみれば非常に作り込まれていて面白い。もしファンタジーとして発表していたら、映画化され世界で評価される物語となったかもしれない。

オーパーツ(皇祖皇太神宮)がある場所

〒319-1541 茨城県北茨城市磯原町磯原835

参考文献
  • 世界ミステリー事件ファイル
  • 超図解 竹内文書
  • 蘇った神々の記憶 超古代文明の謎

RECOMMEND

TO TOP