ノアの方舟は嘘だったのか?オーパーツの謎を紐解く

ノアの方舟

アララト山は標高5137メートル、頂上は万年雪に覆われた山である。その山の氷床下に眠るオーパーツが「ノアの方舟」である。今回はノアの方舟は本当にあったのか、大洪水は起きたのか、真相を究明する。

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ノアの方舟と大洪水

まずは、神がノアに何を伝えたのか知っておきたい。旧約聖書で神がノアに言った言葉を抜粋する。

「わたしの前にすべての肉なるものの終わりが近づいた。この地はそれらのもののために暴行が支配している。わたしは彼らを地とともに滅してしまおう。君(ノア)はゴーフェルの木で一つの箱舟を作り、箱舟の中に個々の部屋を作り、箱舟の内外とも土瀝青で塗りなさい。

(中略)わたしは生命の息のあるすべての肉なるものを天の下から滅すために、地上に天の大水を降らそうとしている。地にあるものはことごとく息絶えねばならない。しかしわたしは君とわたしの契約を立てよう。君は君の息子たち、君の妻や息子たちの妻らと一緒に箱舟に入りなさい。そうしてすべての生物、すべての肉なるものの中から二匹ずつを箱舟にもって入るのだ、君とともに生かしておくため、それは雄と雌でなければならない。

各種の鳥、各種の地に這うものをみな二匹ずつ君の所へ持って入って生きのびるようにするのだ。また君は食料になるあらゆる食べ物を取って君の所に集め、君とこれらのものとの食料にするがよい。」(創世記:第6章)

ノアの方舟の記載を簡単に要約すると、以下のようになる。

「地上で人類が増長し続け悪徳に満ちていた。神は人類を滅ぼすことを決意したが、ノアと家族だけは例外とし救おうと考え、ノアに方舟を作るように伝える。方舟に身内と地上の動物をひとつがいずつ乗せて中で待機した。雨が降り大洪水になりあらゆるものが浸水した。ノアは150日後、水がひいたことを知り、それから7日後、地が回復したことを知り地上に戻った。」

キリスト教徒にとって聖書こそ真実が記された教科書であり、聖書に登場する場所も実際に存在すると考えられている。実際に、ノアの方舟が止まったアララト山は、同じ名前の山が現在のトルコにある。

ノアの方舟の痕跡

ノアの方舟の残骸を見つけたという探検家が存在する。以下はその一例である。

  • 1883年、アララト山付近で氷河から木造船らしきものが露出した
  • 1912年、ロシアのロスコビッキー中尉が氷河の割れ目に木造物を見つける
  • 1949年、アメリカ軍が山の東で巨大な船を発見したが、政府が隠蔽
  • 1954年、フランスの探検家ナヴァラが氷床下で化石化した船を発見
  • 1985年、イギリス探検家ファーソルドが、金属を含んだ巨船の構造体を見つける
  • 2006年、アメリカのテイラーが人工衛星で撮影された写真を公開

2010年、方舟の木片を発見したというフェイクニュースが流れる。炭素年代測定で4800年前と同時期のものであることが確認されたということだったが、2010年4月27日時点で、調査隊に参加した人物から箱舟はフェイクだと情報が出てきた。

またひとつ、ノア箱舟のフェイクが…: 忘却からの帰還

ノアの方舟のサイズ

旧約聖書によると、以下のように記されている。

箱舟の長さは三百尺、幅は五〇尺、高さは三〇尺、箱舟に窓を作り、上の方、一尺の間にそれをし上げ、また箱舟の戸口を横側に作りなさい。

日本の牧師である中川 健一氏がノアの方舟に動物が入るか、世話はどうしたのかなどをYouTubeで言及している。その動画がこちらである。

中川氏によるとノアの方舟のサイズは長さ135メートル、幅22.5メートル、高さ13.5メートル。床面積は920坪で3階建て。総床面積2760坪。そして、4万3千トンの重量を運ぶ能力があったそうだ。これは羊13万頭が入る容量という話である。

現在、動物は7万5千種だが、聖書の動物の種類より少ない。動物を入れるキャパシティはあった。

総工費100億円超

アークエンカウンターの写真

画像出典:Ark Encounter 005 – Ark Encounter – Wikipedia

2016年にケンタッキー州グラント郡に開設されたノアの箱舟のテーマパークのアークエンカウンターは、長さは155 m、幅は26 m、高さは16 mある。最終費用は1億ドルを超えるとされる。

これに近い材料と費用をノアの家族8人で調達し建造したと考えるのは無理のある話だ。

動物の世話はどうしたのか?

ノアの方舟が信憑性に欠けるように感じるのは、箱舟の中で動物の世話を、どのように行っていたのか説明がされていないからだ。

数万種の動物の餌を短期間で調達することと、糞の掃除をして衛生を保つことは現実的に考えると不可能だが、先程の中川氏の話によると「動物は神が送り込んで載せたのだから、地上での生活ではなく、半分冬眠状態だった」そうだ。この驚くような理論?が本当なら、餌代も糞掃除も不要である。

謎解き古代文明:ASIOSによると、一人が5000匹の動物を担当し、餌代で数千万円以上かかるような餌や藁を8人で舟に積み込み、1年間保存することは不可能だと書いている。

ギルガメッシュ叙事詩は『旧約聖書』の洪水物語に酷似


出典:ギルガメシュ叙事詩 – Wikipedia

紀元前2000年頃に成立したギルガメッシュ叙事詩の第11の書版に、創世記の洪水に酷似したくだりが書かれてある。創世記は紀元前598年移行に作られた。したがって、創世記は、ギルガメッシュ叙事詩を取り入れたのではないかという説も面白かった。(謎解き古代文明)

ともあれ、聖書であれオーパーツであれ、漫画を読むように自由に解釈することが楽しいのではないだろうか。

オーパーツが展示されていた場所

ノアの箱舟を実物大で再現:米ケンタッキー州ウィリアムズタウン「アーク・エンカウンター」にて公開。全長155メートル。

参考文献
  • 旧約聖書 創世記
  • Noah’s Ark – Wikipedia
  • 世界ミステリー画像
  • 神々の遺産オーパーツ大全:並木伸一郎
  • 謎解き古代文明:ASIOS

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