1790年にメキシコシティーの中央広場から発掘された直径3.6メートルの巨大な太陽の暦石を「アステカカレンダー」という。後に太陽の石と呼ばれるオーパーツである。
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目次
アステカカレンダーの概要
この遺物はこの地に栄えたアステカ王国の第6代の王が、1479年に神に奉納したものである。アステカの遺物はスペイン人の侵略によって破壊されたが、奇跡的に残った遺物がアステカカレンダーなのだ。
現在は、マヤ文明・テオティワカン文明などの古代文明を展示したメキシコ国立人類学博物館に展示されている。
マヤの神話によると、世界は過去に4度滅んでいて、現在は5番目の時代だそうだ。長期暦が2012年12月23日に終わるため、現在も過去同様に滅亡するだろうと推測された。
アステカカレンダーは玄武岩に円形の暦が刻まれている。重さは24トン、厚さは98センチ、直径は3.6メートルもある。この遺物の大きさ、作者、目的の正確な年についての明確な示唆はない。
暦の解説
アステカカレンダーの暦がどんな意味を表しているか解説しておこう。
中心には5番目の太陽があり、周囲に4つの太陽が刻まれている。地球誕生から5つの時代と進化が描かれている。
中心の太陽神は黒曜石のナイフ(舌)を出している。近年、この神は世界の基盤になった神である__トラルテクトゥリ__ではないかと考えられている。
もともとは、この世に5番目に誕生した太陽のトナティウと考えられていた。
神話:地球は5つの宇宙時代に5回作成され、5つの異なる太陽の神によって支配されていました。それぞれの時代やイオンが終わり、太陽の神とその存在が破壊されたとき、神は新しい太陽の神を選ぶことになっていました。
出典:Tonatiuh 6 b – Tōnatiuh – Wikipedia
中心の顔はトラルテクトゥリ説
しかし、色々な大学機関では、石の中心にある顔が地球の怪物Tlaltecuhtli(トラルテクトゥリ)の顔であると信じられているようだ。トラルテクトゥリは大地の主であり、世界の基盤になった神である。
逸話によると、トラルテクトゥリはケツァルクアトルとテスカトリポカの二人の神に倒され、その後、体の各部位が世界の一部となったようだ。
これらのことから、中心がトラルテクトゥリ説であれば、この神によって全てが創造されたという解釈もできる。
4方の四角は、ジャガー・風・雨・水を表している。
カレンダーの計算は、モチーフを9つの輪に分類し、それぞれをコンピューターで答えを出す方法で算出する。
太陽の間には太陽の爪、5つの太陽を囲む輪には20日のシンボルが彫られている。
中心付近
- 中心:第5の太陽(黒曜石をくわえた太陽神)
- 右上:第1の太陽(ジャガーの太陽)
- 左上:第2の太陽(風の太陽)
- 左下:第3の太陽(火の雨の太陽)
- 右下:第4の太陽(水の太陽)
中心の外枠は20の絵が彫られている
- ワニ
- 風
- 家
- トカゲ
- 蛇
- 死
- 鹿
- ウサギ
- 水
- 犬
- 猿
- 草
- リード
- ジャガー
- 鷲
- ハゲタカ
- 運動
- フリント(岩石)
- 雨
- 花
上部
- 数13アカトルを表すシンボル
下部
- シウテクトリ
- トナティウ
このカレンダーには、地球の誕生から現在を経て遠い未来までが描かれているという。
このアステカカレンダーは現代天文学の計算と、わずかしか誤差がない。つまり、このカレンダーの製作者もしくは公案した人は地球の公転する周期を計算していたことになる。
外れた2012年滅亡説
一時は2012年人類滅亡説が噂された。
しかし2019年現在まで、人類が滅亡するようなことはなかった。われわれの解釈が間違っていたのか、予言が外れたのかは分からない。
2012年以前に噂となった滅亡説を取り上げてみる。
太陽フレア説
太陽の活動が活発になり太陽フレアが発生し地球上の電子機器やコンピューターに致命的な影響が出るといわれた。2017年9月に最強クラスの太陽フレアが発生したが、多くの電子機器が狂うなどの異常はでなかった。
ただ、NASAの宇宙望遠鏡「ケプラー」のデータでは、これまで地球で観測されたフレアの数百倍から数千倍もの強さを持つスーパーフレアの存在が確認されている。今後もしスーパーフレアが発生したら、電気系統のインフラに深刻な影響が出る可能性は否定できない。電気系統が故障することで、機雷が誤爆した事件もある。現代は、ほとんどの生活に電子機器が組み込まれている。
スーパーフレアの動きは急で予断を許さない。アナログな生活を少しでも見直す時期がきているのかもしれない。
太陽でも起こりうるスーパーフレア。壊滅的影響を及ぼす現象は「いつ」起こるのか(sorae 宇宙へのポータルサイト) – Yahoo!ニュース
フォトンベルト説
銀河系の高エネルギーであるフォトンベルトに地球が突入するという西洋神秘主義的な説。
強力なフォトンにより、人類の遺伝子が変化し進化するといわれたが、人類が進化して違うものに変化したというニュースは聞かない。
高次元の存在へ人類を上昇させるということだが、そもそも霊と同じように高次元の存在を科学的に立証できてない。
まとめ
そもそもマヤでは時間は循環していくもので、暦が終わったとしても新しい暦がスタートするとしている。つまり、マヤ人は世界の滅亡を予言などしていなかったのだ。人類滅亡説はわれわれの恣意的な解釈なのである。
オーパーツが展示されていた場所
メキシコ国立人類学博物館
参考文献
- マヤ・インカ文明の謎
- 神々の遺産オーパーツ大全:並木伸一郎
- 画像出典:Aztec calendar – Aztec calendar – Wikipedia
- 人類学 – 太陽の石アステックカレンダーを解読する